Restek
Home / Resource Hub / Technical Literature Library / Japan Accurately Analyze Metal-Sensitive Compounds with Restek’s New Inert LC Columns

金属吸着しやすい低分子化合物の精密分析に特化したRestekのイナートLCカラム

articleBanner

【はじめに】

RestekのイナートLCカラム技術は、金属吸着しやすい化合物の分析結果品質を向上させるために開発されました。ステンレス製LCカラム表面に高品質な不活性コーティングを施すこの技術は、キレート性化合物の非特異的反応を低減させ、高感度かつ、スムーズで正確なピーク解析を実現します。

RestekのイナートLCカラムシリーズは、独自の選択的固定相と、GCカラム開発で培ってきた不活性コーティング技術という異なる要素がブレンドされた、これまでにない新たなLCカラムラインナップであり、低分子化合物における課題解決のためのソリューションとなります。特に、金属と相互作用が懸念される有機リン系農薬やマイコトキシンなどの化合物分析に最適であり、以下の4つの重要な利点があります。

  • 不活性化(パッシベーション)や移動相添加剤の必要性がなく、ピーク形状が改善されます。
  • 感度と回収率が向上し、検出下限の向上が期待されます。
  • 高い精度とスループットにより、再現性が向上し、時間を節約できます。
  • 時間のかかるコンディショニングや複雑な不活性化プロセスが不要です。

卓越した不活性処理が、卓越した性能をもたらす

LCカラム内の金属表面への非特異的吸着 (NSA: nonspecific adsorption ) や非特異的結合 (NSB: nonspecific binding ) が懸念される化合物の分析は、長らく困難な課題でした。特に、酸性の極性化合物はカラム内の金属表面と相互作用しやすく、これがピーク形状と感度の悪化を引き起こし、データ品質の低下につながっていました。

Restekは独自の不活性化技術を駆使し、カラムハードウェアへの活性化合物のNSAとNSBを効果的に排除する高品質なカラムを設計しました。この技術により、金属に吸着しやすい化合物の分析においてもデータの信頼性が向上し、クロマトグラファーが頭を悩ませてきた化合物とカラムの非特異的吸着や結合を克服するソリューションが完成しました。分析の精度と品質向上に向けた長年の取り組みにより、高品質なカラムと革新的な技術が融合したこのLCイナートカラムシリーズが誕生しました。

農薬について

農薬分析の分野に従事するクロマトグラファーの皆さんは、多成分の農薬一斉分析特有の問題に直面することもあるのではないでしょうか?例えば、有機リン系農薬のようなリン酸基を持つ酸性極性化合物や金属キレート種を含んだ分析です。これらの化学特性を持つ化合物は、分析カラム内の金属表面と反応するため、分析が非常に難しい成分として知られています。このような問題を克服し、精度の高い分析を実現するために、ファーストチョイスカラムとしてRestekのイナートLCカラムの採用をお勧めします。

このカラムは、従来のカラムと比較して顕著な利点を提供します。イナートLCカラムを使用することで、これまでにない精度と再現性を多成分農薬一斉分析にもたらし、分析性能全体を大幅に向上させます。分析の効率性と品質の向上に大いに寄与するだけでなく、この技術は作業の簡素化と時間の節約にもつながります。

図1:RestekのRaptor Inert ARC-18カラムは、カラムのプレコンディショニングなしでも優れた感度、回収率、および検出限界を実現

cgarm-img
LC_EV0596
PeakstR (min)Precursor IonProduct Ion 1Product Ion 2Peak AreaPeak Height
1.Methamidophos1.33142.094.0125.1428941105189
2.Acephate1.55184.0143.048.9300642104729
3.Omethoate1.72214.0125.0182.9892008337690
4.Monocrotophos2.21224.1127.0193.121581078425
5.Dicrotophos2.35238.1112.172.0404916159292
6.Dimethoate2.52230.0125.0199.0807805342939
7.Trichlorfon2.53257.0108.9220.817394263266
8.Vamidothion2.54288.0146.0118.01333829547308
9.Mevinphos isomer 12.55241.9126.9192.9311274129961
10.Mevinphos isomer 22.76241.9126.9192.97403029802
11.Carbaryl3.18202.1145.0127.03967111924
12.Isocarbophos3.52291.1231.1121.13329411941
13.Dimethomorph isomer 13.96388.2300.9165.1511766172977
14.Dimethomorph isomer 24.13388.2300.9165.1877031328826
15.Temephos5.70467.1124.9418.916431064751
ColumnRaptor Inert ARC-18 (cat.# 9314A12-T)
Dimensions:100 mm x 2.1 mm ID
Particle Size:2.7 µm
Pore Size:90 Å
Temp.:50 °C
Standard/SampleLC multiresidue pesticide standard #1 (cat.# 31972)
Diluent:Water, 0.1% formic acid
Conc.:1 ng/mL
Inj. Vol.:5 µL
Mobile Phase
A:Water, 2 mM ammonium formate, 0.1% formic acid
B:Methanol, 2 mM ammonium formate, 0.1% formic acid
Time (min)Flow (mL/min)%A%B
0.000.4955
2.000.44060
4.000.42575
6.000.40100
7.500.40100
7.510.4955
9.000.4955
DetectorShimadzu LCMS-8060
Ion Mode:ESI+
Mode:MRM
InstrumentShimadzu Nexera X2

 

図2:通常のステンレス製カラムと比較して、Raptor Inert ARC-18カラムは優れた化合物回収率を提供

cgarm-img
LC_EV0591

 

図3:農薬分析においてピーク面積とピークの高さが大幅に向上

cgarm-img
LC_EV0593

 

表I:Restekのイナートカラムを用いることで、通常のステンレス製カラムに比べて、農薬分析ではピーク面積とピーク高さが最大2倍向上※別シート。

化合物 ピーク面積 ピーク高さ
ステンレス鋼 不活性
域比率
(不活性/ステンレス鋼)
ステンレス鋼 不活性
さ比率
(不活性/ステンレス鋼)
メタミドホス 254969 428941 1.68 52553 105189 2.00
アセフェート 168776 300642 1.78 58418 104729 1.79
オメトアート 579502 892008 1.54 216157 337690 1.56
モノクロトホス 140095 215810 1.54 51402 78425 1.53
ジクロトホス 340978 404916 1.19 135380 159292 1.18
ジメトエート 461156 807805 1.75 188746 342939 1.82
トリクロルホン 84233 173942 2.07 34793 63266 1.82
バミドチオン 913264 1333829 1.46 354311 547308 1.54
メビンホス異性体1 213632 311274 1.46 82105 129961 1.58
メビンホス異性体2 56093 74030  1.32 29070 29802 1.03 
カルバリル 43590 39671 0.91 14563 11924 0.82
イソカルボホス 21587 33294 1.54 9062 11941 1.32
ジメトモルフ異性体1 462425 511766 1.11 166990 172977 1.04
ジメトモルフ異性体2 896109 877031 0.98  311657 328826 1.06 
テメホス 98793 164310 1.66 35383 64751 1.83

 

マイコトキシンについて

マイコトキシンの分析は、その複雑さからしばしば挑戦的です。これらの化合物は極性酸性化合物であり、金属キレート基を含むために高い反応性を示します。このため、分析には通常、多くのカラムコンディショニングと平衡化が必要とされ、これは時間と労力の大きな投資を意味します。

しかし、Restekのイナートカラムは、この問題に新たな解決策を提供します。Restekの選択的固定相と組み合わせることで、これらの化合物のピーク形状と感度が劇的に改善されます。これにより、分析プロセスが大幅にシンプル化され、時間とコストの節約につながります。

分析品質を向上させ、作業の効率化を図るために、Restekのイナートカラムをお選びください。このイナートLCカラムは、マイコトキシン分析の課題に直面している研究者や技術者にとって、理想的な選択肢となります。

図4:Raptor Inert Biphenylカラムを使用したマイコトキシンの分析では、酸による不動態化や移動相添加剤の追加といったステップなしに、ピーク形状を改善

cgarm-img
LC_FS0552
PeakstR (min)Conc.
(ng/mL)
Precursor IonProduct Ion Peak AreaPeak Height
1.Nivalenol 0.8810295.1137.1418264495
2.Deoxynivalenol1.2510297.2231.017346281906
3.Fusarenon-X1.9210355.1137.17668121790
4.15-Acetyldeoxynivalenol3.0810339.2137.131369517570
5.3-Acetyldeoxynivalenol3.1410339.2213.122613296396
6.Tenuazonic acid4.1110198.1125.047828197658
7.Altenuene4.6010293.2257.11138502059699
8.Alternariol5.2710259.0185.1732721302192
9.Ergosine5.2810548.4208.14866209366601
10.Citrinin5.4610251.2233.110078809828889
11.Ergosinine5.4610548.4208.14967348740527
12.Fumonisin B15.4810722.5352.31228782415567
13.Diacetoxyscirpenol5.6210384.2247.1681391208825
14.Ergotamine5.7110582.4223.24930039274155
15.Ergocornine5.8510562.4268.23870257732744
16.Ergotaminine5.9610582.4223.24621199237991
17.HT-26.1310447.2345.115221323765
18.Ergocryptine6.1910576.4268.252220411360838
19.Fumonisin B36.2310706.4336.21433023444421
20.Ergocristine6.4410610.4223.21955624450058
21.Fumonisin B26.5910706.4336.21517193869822
22.Tentoxin6.6210415.2312.2951752131906
23.α-Zearalenol6.9110303.1285.130224702420
24.Ergocorninine6.9310562.4268.270402914389283
25.Aflatoxin G26.9710331.2189.02628245274353
26.T-27.0910489.2387.1565351394735
27.Ergocryptinine7.1810576.4268.277897216765348
28.Ergocristinine7.4010610.4223.2158305332975663
29.Aflatoxin G17.4510329.1199.73043896102959
30.Zearalenone7.5910319.2283.137162927455
31.Alternariol monomethylether7.6210273.0199.131024640689
32.Aflatoxin B27.6310315.1287.02956485724754
33.Aflatoxin B18.0210313.2241.12235204425821
34.Ochratoxin A8.2510404.1239.01900604411953
ColumnRaptor Inert Biphenyl (cat.# 9309A12-T)
Dimensions:100 mm x 2.1 mm ID
Particle Size:2.7 µm
Pore Size:90 Å
Temp.:60 °C
Standard/SampleAflatoxins standard (cat.# 34121)
Ochratoxin A standard (cat.# 34122)
Diluent:50:50 Water:methanol
Conc.:10 ng/mL
Inj. Vol.:5 µL
Mobile Phase
A:Water, 0.05% formic acid
B:Methanol, 0.05% formic acid
Time (min)Flow (mL/min)%A%B
0.000.47525
5.000.45050
9.000.40100
9.010.47525
11.00.47525
Max Pressure:440 bar
DetectorWaters Xevo TQ-S
Ion Mode:ESI+
Mode:MRM
InstrumentWaters ACQUITY UPLC I-Class
Notes

 

図5:Raptor Inert Biphenylカラムを用いたフモニシンの分析では、通常のステンレス製カラムと比較してピーク面積が劇的に改善

cgarm-img
LC_FS0554

 

図6:ピーク面積とピーク高さが大幅に向上

 
cgarm-img
LC_FS0556

 

表II:イナートカラムを用いたマイコトキシンの分析では、通常のカラムに比べてピーク高さが最大10倍改善

化合物 ピーク面積 ピーク高さ
ステンレス鋼 不活性
域比率
(不活性/ステンレス鋼)
ステンレス鋼 不活性
さ比率
(不活性/ステンレス鋼)
フモニシンB1 32578 122878 3.77 399544 2415567 6.05
フモニシンB2 23427 151719 6.48 383130 3869822 10.10
フモニシンB3 29864 143302 4.80 472279 3444421 7.29
エルゴクリスチン 171197 195562 1.14 3865898 4450058 1.15
エルゴクリスチニン 1393116 1583053 1.14 29212317 32975663 1.13
エルゴタミン 433635 493003 1.14 8149518 9274156 1.14
エルゴタミニン 397370 462119 1.16 7885403 9237991 1.17
エルゴクリプチン 446481 522204 1.17 9671753 11360839 1.17
エルゴクリプチニン 658788 778972 1.18 13680420 16765348 1.23
エルゴコルニン 370509 387025 1.04 7248981 7732744 1.07
エルゴコルニニン 590167 704029 1.19 12052359 14389283 1.19
エルゴシン 445243 486620 1.09 8630932 9366602 1.09
エルゴシニン 439026 496734 1.13 7820785 8740527 1.12
T-2 43286 56535 1.31 1046233 1394735 1.33
HT-2 10183 15221 1.49 216703 323765 1.49
テントキシン 70973 95175 1.34 1577164 2131907 1.35
オクラトキシン 173686 190060 1.09 4039682 4411953 1.09
ダイアセトキシスキルペノール 47850 68139 1.42 846403 1208826 1.43
フサレノンX 3865 7668 1.98 60409 121790 2.02
15-アセチル-DON 17055 31369 1.84 269862 517570 1.92
3-アセチルデオキシバレノール 13353 22613 1.69 179204 296396 1.65
アフラトキシンG2 171597 262824 1.53 3429501 5274354 1.54
アフラトキシンG1 224058 304389 1.36 4607959 6102959 1.32
エルゴメトリン 301459 558555 1.85 2255203 4659031 2.07
エルゴメトリニン 217271 396109 1.82 1814997 4031002 2.22
ZON 25617 37162 1.45 656915 927455 1.41
アフラトキシンB2 159389 295648 1.85 3462489 5724754 1.65
アフラトキシンB1 265935 223520 0.84 5335576 4425821 0.83
アルファ-ゼアラレノール 16202 30224 1.87 382092 702420 1.84
デオキシニバレノール 6935 17346 2.50 117927 281906 2.39
ニバレノール 1790 4182 2.34 25276 64495 2.55
アルテニューン 63224 113850 1.80 1187958 2059700 1.73
アルタナリオールモノメチルエーテル 19537 31024 1.59 428922 640689 1.49
アルタナリオール 48204 73272 1.52 837410 1302192 1.56
シトリニン 499900 1007880 2.02 5031182 9828890 1.95
テヌアゾン酸 21503 47828 2.22 89293 197658 2.21

Restekが長年培ってきた不活性化処理技術が、ユニークな固定相と融合した、唯一無二な低分子分析向けイナートLCカラム

RestekではイナートLCカラム技術を次の3つのカラム固定相に採用しました:Raptor Biphenyl、Raptor ARC-18、Force Biphenyl

これらのカラムは、低分子LC-MS/MSワークフローに特化したラボにイナートカラム技術の利点を提供します。

 

Raptor LC Columns

Raptor LC カラムについて

Raptor LC カラムは、2.7 µm SPP から得られるスピードと超選択的液体クロマトグラフィー( Ultra Selective Liquid Chromatography: USLC)技術の分離性能を組み合わせることで、ルーチン用HPLC機器の分離向上と、分析時間の短縮を実現します。

分析のスピードアップを求める場合、Restek は Raptor シリーズの LC カラムをお勧めします。

→ 詳細はこちらへ (www.restek.com/Raptor )

Raptor Inert Biphenylについて

業界をリードするビフェニルは、Restekでも、もっとも人気のある LC 固定相です。

これは、C18 およびその他フェニル基を有するカラムにおいて分離が難しい、または保持が弱く溶出が早い化合物に特に有効で、分離の改善が期待できます。

Raptor Inert ARC-18について

Raptor ARC-18 カラムは、質量分析に必要な厳しい酸性移動相条件下でも、C18 の欠点を持たず、バランスの取れた保持プロファイルを特徴としています。

低pH(≤2.0)条件での長時間の使用にもかかわらず、立体的に保護された ARC-18 は、荷電した塩基、中性酸、低分子の極性化合物などに対して一貫した保持、ピーク形状、およびレスポンスを提供します。

 

Force LC カラムについて

Force 全多孔質粒子(FPP)LC カラムは、高圧かつ厳しい分析条件にも対応するよう設計および製造されています。

耐久性および再現性があり、プレミアムな品質で、100%のご満足を保証しています。

より高い保持能とシャープなピークが求められる場合、Force LC カラムはお客様のご要望にすぐに対応できるラインナップを取り揃えています。

→ 詳細はこちら(www.restek.com/Force )

Force Inert Biphenyについて

Force イナートビフェニルカラムは、他のフェニルおよびC18ケミストリーでは分離できない化合物を分離します。シンプルでMSフレンドリーな移動相を使用でき、親水性芳香族の保持を高める必要がある場合に理想的です。

LC分析のための卓越した不活性化処理について

Restekは皆様と同じクロマトグラファーとして、データ信頼性の重要性を理解しています。農薬、マイコトキシン、または金属との反応性でピーク形状が崩れる化合物などの分析を行っている場合でも、これらのLCカラムは、ラボが必要とする精度、スループット、性能を提供します。

こちらのご案内が皆様のニーズに合致する場合、ぜひwww.restek.com/contact-us よりRestekにお問い合わせください!デモカラムのご依頼もお気軽にどうぞ。

GNSS4155A-JP