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Restek液体クロマトグラフィー(LC)カラム -使用方法および取扱い

分析カラム試験成績書

Restek液体クロマトグラフィー(LC)カラムは、個別に充填され、優れた性能を保証するために試験されています。LCカラムの試験成績書は、カラム ごとに発行されます。クロマトグラムだけでなく、カラムシリアル番号や充填材ロット番号などのカラム固有情報も含まれます。www.restek.com/documentation から試験成績書をダウンロードし、必要に応じて、記録またはトラブルシューティングのために保管してください。

カラムハードウェア

すべてのRestekカラムハードウェアは、ステンレスSUS316を用いています。粒子径2.7μmのRaptorカラムおよび粒子径3μmより大きい充塡剤のカラムは、 2μmのフリットを採用しています。他のすべてのカラムは0.5μmのフリットを採用しています。Restek LCカラムエンドフィッティングは、Valco、Parker、Upchurch、Swagelok、および他のブランドの10-32サイズフィッティングと互換性があります。新しいカラムにフィッティングを差し込む際、適切なフィット感 を確保するために、カラムの入口側と出口側の両方のナットとフェルールを交換する必要がある場合があります。カラムコネクターが正しく取り付けられて いることを確認してから締め付けてください。正しく取り付けられていないと、カラム効率に悪影響を及ぼし、カラムの取り外しが困難になる可能性がありま す。Restekカラムは、PEEK製エンドプラグが付属します。取付け前にプラグを緩め、取り外してください(カラムの取り付けに関する追加事項については、LCシステムのオペレーションマニュアルを参照してください)。カ

カラムの取り付けと使用

移動相

出荷時のカラムにはLC試験成績書に記載されている保管溶媒が封入されています(www.restek.com/documentation でダウンロードしてください)。使用する移動相がこの溶媒と混和性があることを確認してください。そうでない場合は、保管溶媒と使用したい移動相の両方に混和する中間溶媒でカラムを置換します。溶剤の混和性がわからない場合は、www.restek.com/solvent-chartを参照してください 詳細については、Restek テクニカルサービスにお問い合わせください。緩衝液を使用する場合は特に注意してください。ほとんどのカラムの保管溶媒には50%を超える有機溶媒が含まれており、緩衝液と混ざると沈殿物が形成され、カラムが詰まる可能性があります。

通液方向と流量

カラムラベル上の矢印は、推奨される通液方向を示しています。最初に、カラムの入口側をインジェクタまたはオートサンプラに接続し、カラムの出口側は、ビーカーで受け移動相を10~15分間通液します。流量を徐々に最適値まで増加させます(表I)。その後、移動相の通液を止め、カラムを検出器に接続します。

特にグラジエントモードで使用した場合、全てのLCシステムは固有のものであるため、当社のラボで得られた結果とは異なる可能性があります。Restek Technical Service は、分離の最適化を支援することができます。お問合せの前には、必ずカラム圧力を記録してください。

Table I: Optimal Flow Rates Based on Particle Diameter and Column ID

Column ID (mm) Optimal Flow Rate (mL/min)
1.9 μm dp 3 μm dp 5 μm dp
4.6 1.50 1.00
3.2 0.73 0.50
3.0 1.12 0.65 0.40
2.1 0.55 0.31 0.20
1.0 0.07 0.05

平衡化

使用前に、最初の試験条件の移動相で、カラムを少なくとも5~10カラム容量を通液することを推奨します。特定のカラムタイプのコンディショニングに推奨されるリソースについては、以下を参照してください。カラムコンディショニングの詳細については、Restek Technical Service にお問合わせください。

逆相カラムの条件設定と平衡化に関する詳細については、www.restek.com/reversephaseconditioning をご覧ください

HILICカラムのコンディショニングと平衡化に関する詳細については、www.restek.com/HILICconditioningをご覧ください

Raptor EtG/EtSカラムのコンディショニングと平衡化に関する詳細については、www.restek.com/EtGEtSconditioningをご覧ください

カラムの保守

システム圧力を継続的にモニターすることで、カラムの洗浄、ガードカラムまたはフィルターの交換、注入口フリットのクリーニングなどのメンテナンスが必要性かどうか判断できます。カラムの背圧の増加は、入口側フリットが詰まっているか、その他の問題を示します。カラムの使用中にシステムの背圧が上昇し始めた場合、カラムをバックフラッシュ(逆洗浄)すると、カラム入口側のフリットに蓄積した夾雑物を除去して圧力が低下することがあります(逆洗浄は、1.8μm または1.9μm Force またはPinnacle DB カラムでは推奨されません。これらのカラムタイプでの背圧の増加のトラブルシューティングは、Restek Technical Service にお問い合わせください。)。

逆洗浄が適切な場合は、最初に流量をオフにし、次にカラムをインジェクタと検出器から取り外します。カラムの出口側をインジェクタまたはオートサンプラ側に接続して、カラムの通液方向を反転させます。分離モードに適合した溶媒を使用して、カラムを低流量(カラムの最適流量の約1/4~1/2)で逆洗浄します。カラムの入口側から流れ出てくる溶媒をビーカーで受けます。カラムを検出器には、流さないでください。洗浄後、通常の通液方向に戻し、移動相でカラムを再平衡化します。背圧が低下する場合は、今後の分析にガードカラムまたはプレカラムフィルターの使用を検討してください。

汚染の疑いがありピーク形状が悪化した場合は、水比率の高い条件で開始し、長い時間をかけて有機溶媒比率を高くするようなグラジエンド勾配でカラムを洗浄してください。カラムを洗浄した後、移動相でカラムを再平衡化し、性能の向上を確認します。問題が継続する場合は、ガードカラムの使用を検討してください。

洗浄溶媒の選択やカラムのメンテナンスに関する詳細情報が必要な場合は、Restek Technical Serviceにお問い合わせください。

カラムの洗浄と保管

カラムは、保管前に緩衝塩、酸、または塩基を除去するために少なくとも10~20カラム容量の溶液で洗浄をしてください。短期間の保管では、緩衝液、酸性または塩基性成分を除いた、直近に使用した移動相と同じ組成の溶媒で、カラムを洗浄する必要があります。長期保管の場合、逆相カラムは50%水/50%有機溶媒(アセトニトリルやメタノールなど)で保管し、順相カラムは非極性溶媒(ヘキサンなど)で保管する必要があります。長期保管溶媒が直近で使用した移動相と混和しない場合、直近で使用した移動相および保管溶媒の両方と混和する中間溶媒でカラムを洗浄してください。エンドプラグをしっかりと固定してカラムを保管し、保管溶媒の記録を必ず添付してください。

カラムの寿命を延ばすための最適な方法

  • 定期的なカラム洗浄は、カラムの寿命を大幅に延ばすことができます。理想的な洗浄溶媒は、緩衝塩、酸性、または塩基性成分を含まない最も直近で使用した移動相と組成が同一の溶媒です。カラムを洗浄するときは、少なくとも10~20カラム容量の洗浄溶液を使用することを推奨します。

     

  • 極端なpH値での長時間の使用は推奨されません。各カラムの使用pHレンジの詳細は、restek.comでご覧いただけます。

     

  • 温度が上昇するとカラムの寿命が損なわれる可能性があるため、カラムの上限温度80 °C を超えないようにしてください。

     

  • 使用前にろ過・脱気した液体クロマトグラフィー用に特別に調製した溶媒を使用することを強くお勧めします。

     

  • カラム寿命は固定相の種類に左右されます。C18などの炭化水素系の固定相は、比較的化学的に安定です。しかし、アミノ基のような極性固定相は化学的に活性があるため、特別な注意が必要になります。アルデヒドまたはケトン(例えば、アセトン)を含む移動相は、アミノ基の保持を変化させ、注入を繰り返すと時間の経過とともに固定相を変質させます。いずれのpHでも変質しますが、pH 4.5~pH5.5ではアミノ基の変質がより速く進行します。

LCガードカラムシステム

粒子状物質および試料汚染物質に対する最大限の保護のために、カラムの前にガードカラムまたはプレカラムフィルターを装着することを検討してください。詳細については、www.restek.com/LC-guard をご覧いただくか、最寄りのRestek 担当者へお問い合わせください。

Raptor Polar X

RestekのRaptor Polar X LCカラムには、最高の性能と寿命を得るために特別に考慮すべき事項がいくつかあります。

不動態化:

  • キレート化合物を分析する場合、サンプル流路内における金属成分を不動態化処理する必要があります。

     

  • カラムは、Restekによって不動態化された状態で納品されますが、キレート化合物の保持が減少し始める場合は、追加の不動態化処理を行う必要があるかもしれません。

     

  • www.restek.com/LCpassivationで、システムおよびカラム不動態化に関するガイダンスとRestekのLC不動態化ソリューションおよび手順を参照してください 。

使用方法:

  • 分析前にカラムへ5~10回、ブランクサンプルを注入します。

     

  • 水比率90%を超える移動相条件は避けてください。水比率90%を超える移動相を使用するとカラムの寿命が短くなる可能性があります。

     

  • 酢酸アンモニウムは避けてください。酢酸アンモニウムの使用は、保持の減少をもたらします。代わりにギ酸アンモニウムが推奨されます。

     

  • 過酷な条件では寿命が短くなります。0.5%以下の酸および50℃以下のカラム温度の使用が推奨されます。

洗浄および保管:

  • 最良の結果を得るために、分析終了前に、分析条件の有機溶媒を用いてカラムを洗浄します。

     

  • 使用後は、カラムを100% アセトニトリルで保存することを推奨します。

     

  • 緩衝液または酸が含まれる移動相での保存は推奨されません。

     

  • 緩衝液および/または酸を使用した場合、5~10カラム容量に対して緩衝液を含まない50:50のH2 O/ACNでカラムを洗浄し、続いて、保管前に5~10カラム容量のアセトニトリルでカラムを洗浄することが推奨されます。

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